2018/10/14 20:21
先日、某有名オークション会場でそれは起こりました。
とあるアーティストの作品が高額で落札された途端、
額縁に内蔵されていたシュレッダーによってその作品の半分ほどが細断されました。
場内は騒然となりましたが、その後アーティストによって声明が発表されました。
アート作品然りですが、
物の価値というものは果たしてどこに存在するんでしょうか?
100円のお菓子も
1万円の洋服も
100万円の自動車も
1000万円の絵画も
1億円の機械も
お金が札(ふだ)となっているだけで、
本当にそれそのものの価値を図ることなどできるのでしょうか?
今目の前に空気があります。
目には見えません。
しかしここには確かに空気があります。
そしてそれを吸って吐いて、私は生きています。
空気は私を生かしてくれる価値がある尊いものです。
無償で享受しています。
今から35年前にオギャーと生まれ
あまり丈夫ではないですが、今まで生きてきて、
おそらくあと数十年で私は死にます。
死んだあと、私の体は焼かれ、骨になり、墓に埋葬されます。
埋葬された骨は時間をかけて土に還り、
いずれ私を形成していた物質は無くなります。
それでも地球周り、日が昇り、そして沈みます。
あと100年も経てば街は様変わりし、そこに暮らす人々も変わっていくでしょう。
僕たち人間が地上に降り立つ何年も何億年も前から変わらぬこと、それは全ては変わるということ。
今日とは違う明日があり、
昨日とは違う今日がありました。
全てのものは変わっていきます。
それでも私は革の前に座り、革を切ります。
それに意味を求めるなんて無意味なことなんです。
けれども私は続けています。続けていきます。
来週から金沢にある大和百貨店様で期間は短いですが、私の制作物を置いてもらうことになりました。
何かが伝わって何かが繋がれば私はそれはそれは幸せなことだと思います。